半導体は、AIが必要とする大量のデータや計算を高速かつ効率的に処理するための基盤となる素子です。
AIと半導体の相互作用によって、多くの分野でイノベーションが起こっています。
最新の情報や事例
- 経済産業省は、2023年6月に「半導体・デジタル産業戦略」の改定案を示しました。
この戦略では、AI向けに電力消費を抑えた半導体の開発や、出遅れている生成AI(自動的に文章や画像などを生成するAI)の国内開発の支援に乗り出すことを目指しています。
生成AIは、チャットGPTなど海外勢が先行しており、国内での環境整備が急務です。 - AI向け半導体の市場では、GPU(グラフィックス処理ユニット)を主力製品とする米NVIDIA社が圧倒的なシェアを持っています。
GPUは、画像や動画などの並列処理に優れており、ディープラーニング(多層のニューラルネットワークを用いた機械学習)に適しています。
スーパーコンピューターや自動運転などの分野でもGPUを活用しています。 - 米Intel社は、2020年にディープラーニングでの利用を視野に入れた単体型GPUを出荷する予定です。
CPU(中央処理ユニット)の分野で圧倒的な地位を持っており、GPUとCPUの組み合わせでNVIDIA社に挑戦しようとしています。 - 米Google社も、独自のプロセッサ「TPU(テンソル処理ユニット)」を開発し、AIサービスや囲碁AI「AlphaGo」に利用しています。
TPUは、ディープラーニング後の推論フェーズ(学習した結果をもとに判断する段階)で高い性能を発揮します。
AIと半導体は、今後もさらなる進化と競争を続けるでしょう。