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ファジーってあったよね

当時のファジーとは1990年代に流行した言葉で、あいまいさや不確実性を扱うことができる理論や手法のことです。
英語の「fuzzy」から来ており、綿毛状のやぼやけたという意味があります。
人間の感性や判断をコンピュータに近づけることができる技術で、家電機器や制御システムなどに応用されました。
ファジー洗濯機やファジー炊飯器などのファジー家電は、当時話題になりました。

しかし、ファジーという言葉はブレイクしすぎたためにその実力以上に期待されてしまいました。
その結果技術が進歩しても、もうその言葉は使いにくくなってしまいました。
今ではファジー理論は裏方で地道に働く技術として活躍していますが、あまり目立たなくなっています。

ファジー制御が使用されている製品
  • 洗濯機
    洗濯物の量や汚れ度、洗剤の種類などをセンサーで測定し、最適な洗濯時間や水量、回転数などを自動的に調整する洗濯機に使われています。
    洗濯の品質や効率が向上し、電気や水の節約にも貢献しています。
  • エアコン
    室内の温度や湿度、人の数や動きなどをセンサーで測定し、最適な冷暖房や風量などを自動的に調整するエアコンに使われています。
    快適な室温や空気の流れが保たれ、省エネにも貢献しています。
  • 自動車
    自動車の速度や加速度、前方の車との距離などをセンサーで測定し、最適なブレーキやステアリングなどを自動的に調整する自動車に使われています。
    安全性や快適性が向上し、交通事故や渋滞の防止にも貢献しています
ファジー制御とは
  • ファジー化
    数値で表される量を、メンバーシップ関数と呼ばれるグラフによって言語表現に置き換えます。
    例えば、速度を「とても遅い」「やや遅い」「普通」「やや速い」「とても速い」のような言葉に変換します。
  • ファジールール
    「もし○○ならば△△」という形式のルールを作成します。
    これは、制御対象の挙動や制御則などを言語的に記述したものです。
    例えば、「もし速度がとても遅いならばアクセルをたくさん踏む」というルールがあります。
  • ファジー推論
    ファジールールを複数組み合わせて、入力に対する出力を言語表現で得ます。
    例えば、「速度がとても遅い」という入力に対して、「アクセルをたくさん踏む」という出力が得られます。
  • 非ファジー化
    メンバーシップ関数を用いて、言語表現で得られた出力を数値に戻します。
    例えば、「アクセルをたくさん踏む」という出力を、アクセル開度のパーセンテージに変換します。

ファジー制御は、人間の感覚や判断を模倣することで、複雑で不確かな状況に対応できる技術です。
洗濯機やエアコンなどの家電製品や、自動車やロボットなどの機械に広く応用されています。